HLA抗原検査

A. リンパ球分離法

B. リンパ球細胞障害試験

C. 顕微鏡判定

D. 機械・器具・試薬


A. リンパ球分離法

 現在リンパ球の分離法として,フィコール・コンレイ(フィコール・ハイパック)比重遠心法,リンフォクイック法,免疫磁気ビーズ法などが知られている.後者2つの方法は,バッフィーコートより直接T・B細胞を分離することが可能である.
1. フィコール・コンレイ比重遠心法
 本法は各細胞の比重差を利用し,遠心することによりリンパ球を分離する方法である.比重液としては,フィコール・コンレイ(Ficoll-Conray) やフィコール・ハイパック (Ficoll-Hypaque)などが一般的に用いられ,主に,赤血球と顆粒球を除去する.フィコール・コンレイで分離されたリンパ球浮遊液をトロンビンで処理し,残存している血小板,単球および顆粒球を除去する.
2. リンフォクイック法
 リンフォクイック法は,前もって補体が加えられたモノクローナル抗体とリンパ球以外の細胞が特異的に結合し,不必要な細胞が補体により溶解され,除去される方法である.分離しようとする細胞の種類により,4種類の製品が発売されている.この方法は比較的純粋なリンパ球浮遊液を得ることができる.
3. 免疫磁気ビーズ法(ダイナビーズ)
 ダイナビーズは極めて均一なポリスチレンビーズで,可磁性物質(Fe2O3)が一様に分布したコアが親水性ポリマーで被われています.ポリマーで被われたなめらかな表面には,抗体あるいは他の分子を結合することができ,磁石と併用することにより,物質あるいは細胞の分離に効果的に利用することができる.免疫学,組織適合性検査,癌研究,移植医学,細菌学,寄生虫学,DNAテクノロジー,臨床化学等の分野で応用されている.ダイナビーズは直径・比重の違いにより2種類の製品が販売されている.DYNABEADSM-450 は直径が4.5mm,比重1.5で免疫磁気分離および同定用として開発された製品で,主に細胞分離に適したサイズになっている.DYNABEADSM-280直径が2.8mm,比重1.3で細菌学やイムノアッセイ等に適した製品である.本法は表面にT・B各リンパ球と特異的に結合する抗体が,それぞれコーティングされたダイナビーズを使用し,純度の高いリンパ球をすみやかに採集する方法である.5mlの抗凝固剤加末梢血液(ACDが望ましい)に直接ビーズを加え,分離する方法もある.その方法を用いると,Bリンパ球分離がl5分間に短縮されるが,細胞収量は低下する.
4. ナイロンカラム法
 本法は,フィコール・コンレイ比重遠心法で赤血球と大部分の顆粒球を取り除き,リンパ球を分離し,さらに卜ロンビン処理して混入している血小板と単球を除去することで純粋なリンパ球を回収する方法である.得られたリンパ球から,Bリンパ球がナイロンウールに付着する性質を利用して,T・Bリンパ球を分離する.本法は,血液量の多い場合(30〜400ml)に有用である.このカラムは3 x107のリンパ球に対して考えられている.もし,それよりも大量のセルを処理する場合は,複数のカラムを使用するか適度にナイロンとメディウムを増やして使う必要がある.逆に1x107個以下のセルを処理する場合には,ナイロンとメディウムを減らす必要がある.


B. リンパ球細胞障害試験

1.タイピングトレーの準備(抗血清)

 タイピングトレーの各ウエルは,1 μlの特異抗血清および5μlのミネラルオイルが含まれている.ミネラルオイルは抗血清の蒸発を防止する目的で添加されている.トレーは-70℃またはそれ以下で保存し,有効期限内に使用する.ドライアイスによる長期の保存は避けるべきである.それは二酸化炭素により抗血清のpHが変動し,血清が失活する恐れがあるからである.使用する際,トレーを室温で15分間融解し,各ウエルに抗血清が含まれているかチェックする.再凍結保存は避けるべきである.
 トレー作成時,フェノールレッドがpHの視覚的観察のために抗血清に添加されており,細菌の混入あるいは二酸化炭素の影響により,抗血清は黄色に変色する.黄色に変色したトレーは,抗血清が失活している可能性があるので使用を避けるべきである.
 現在ではダイナビーズを使用した分離法が主流であり、単離された細胞にはビーズが付着しているため従来から利用されてきたエオジン法によるタイピングが使えない。ビーズで分離した細胞については蛍光法が一般的に利用されている。

2.


C. 顕微鏡判定

スコア 死細胞率 (%)
1: 0-10 陰性
2:11-20 偽陰性
4:21-30 偽陽性
6:31-80 陽性
8:81-100 強陽性
0: 判定不能
スコア法は,すべての反応が陽性または陰性であるという考えに基づいている.それは抗体が細胞表面の結合抗原を認めるか認めないかを見ているという事である.陽性反応には2つの等級がある.全ての細胞が死んでいる強陽性反応(8)と陽性反応(6).陰性反応は(1と2)2つの等級である.陽性と陰性の判定の中間に位置する反応がしばしば見られるため,判定を簡便にするために右表が用いられる.


D. 機械・器具・試薬

PDFを参照(準備中)